Green Column グリーンコラム
【四国のエネルギーを考える 第1話】「発電所がなくなる!?」暮らしを見直すサイン。電気を「使うだけ」から「つくり、ためて、活かす」時代へ
はじめに
四国電力から、徳島県の阿南発電所、そして香川県の坂出発電所が、2027年度までに廃止されるというニュースが発表されました。
日本経済新聞「四国電力、香川と徳島の火力発電2基廃止へ 石油火力はゼロに」
発電所がなくなる――。
その言葉だけを聞くと、「電気はなくならないか」と不安に感じるかもしれませんし、自分には関係のない話と思う人もいるかもしれません。
しかしこの変化は、私たちの暮らしや住まい、さらには毎月の電気代にも関わる大きな転換点です。
近年、日本では脱炭素社会の実現に向けて、エネルギー政策が大きく変化しています。四国でも長年地域の電力供給を支えてきた火力発電所の役割が見直され、新しいエネルギーの仕組みへの移行が進められているのです。
私たちの暮らしを支えるエネルギー供給の形が、変わり始めています。
今回は、四国の発電所をめぐる変化をきっかけに、これからの暮らしに必要な3つの意識改革について考えていきます。

火力発電所が役割を終える理由
これまで日本の電力供給は、大規模な発電所を中心に成り立ってきました。
火力発電所等でつくられた電気が、送電線を通じて各家庭や企業へ届けられる仕組みです。
しかし近年、
・発電設備の老朽化
・脱炭素社会への移行
・再生可能エネルギーの普及
といった背景から、従来型の発電所の形が少しずつ変わり始めています。
ここで重要なのは、「発電所がなくなる」=「電気が不足する」のではない、ということです。
むしろこれからは、電力会社の大規模な発電所に100%頼るのではなく、太陽光や風力など、地域のさまざまなエネルギーをみんなで分担して支え合う「分散型エネルギー社会」へと移行しようとしています。

これからの暮らしに必要な3つの意識改革
発電所の変化は、私たちの暮らしにどんな変化をもたらすでしょうか。
① 電気は「買うもの」から「つくるもの」へ
近年、多くの家庭で電気料金の上昇を実感しているのではないでしょうか。
実際に四国電力では、2023年6月に家庭向け規制料金の値上げが行われ、標準的な使用量のモデルでは月額で約3割の上昇が示されました。(※1)

※1.四国電力「【2023年6月実施】規制料金の値上げ認可について」より
背景には、燃料価格の高騰や国際情勢の影響を受けやすい、日本のエネルギー構造があります。特に火力発電は、石油・石炭・天然ガスなどの燃料を海外からの輸入に頼る部分が大きく、燃料価格の変動が電気料金にも影響しやすい仕組みです。
これからは、電気を節約するだけでなく、電気を「つくる・ためる」暮らしへシフトすることが、燃料高騰に振り回されない最大の家計防衛策になります。
② 停電は「復旧を待つもの」から「自宅で備えるもの」へ
台風や地震などの自然災害による停電は、決して他人事ではありません。
今までは電力会社からの復旧を待つしかありませんでしたが、太陽光発電や蓄電池の普及によって、自宅で最低限の電力を確保できる選択肢も広がっています。
従来の「復旧を待つ防災」から、太陽光や蓄電池を活用して「自らエネルギーを確保する防災」へ。エネルギーの分散化は、いざという時に家族の命と日常を自分たちで守るための、強力な武器になります。
③ 住宅は「間取りや立地」だけでなく「エネルギー性能」で選ぶ時代へ
住宅選びにおいても、断熱性能や省エネ性能への関心が高まっています。
これからの住まい選びは、デザインや立地だけでなく、数十年先を見据えた「エネルギー自給力」という資産価値で選ぶ時代です。家を建てる・選ぶという人生最大の決断において、省エネ性能は外せない絶対条件になっていくでしょう 。

また、エネルギーの変化は、さまざまな立場の人にも影響を与えます。
不動産オーナー・投資家にとって
入居者が住宅に求める条件も変化しています。
省エネ性能や光熱費負担の少ない住宅は、競争力のひとつになる可能性があります。エネルギー性能は「コスト」だけでなく「資産価値」の観点でも注目され始めています。
法人・事業者にとって
近年はBCP(事業継続計画)やESG経営への関心が高まっています。
エネルギーコストの管理や災害時の事業継続は、企業経営において重要なテーマです。省エネや再生可能エネルギー活用などの取り組みは、企業価値向上にもつながります。
「発電所から届く電気」だけに頼らない時代へ
これまでの社会では、「発電所が電気をつくる」→「家庭や企業が使う」という一方向の関係が中心でした。
しかし現在、太陽光発電、蓄電池、EV(電気自動車)、省エネ住宅などが普及し始め、電気を“使うだけ”ではなく、“つくる・ためる・活かす”という考え方が広がっています。
発電所の役割が変わる背景には、このような社会全体の変化も影響しています。

これからの住まいに求められる「エネルギーを使いこなす力」
これからの時代、住宅は快適に暮らす場所だけではありません。発電所の形が変わる今、住まいに求められるのは「エネルギーを上手にコントロールできる力」です。
高い断熱性で電気をムダ使いせず、太陽光でつくった電気を蓄電池やEVにためて賢く活かす――。そんな「省エネ・創エネ・蓄エネ」が揃った住まいは、毎月の光熱費を抑えるだけでなく、災害時にも普段通りの生活を維持できる最高の安心をもたらしてくれます。
エネルギーの未来が変わる今だからこそ、これからの住まいづくり・住まい選びの基準をアップデートしていきませんか?
住まいを「エネルギーの自給拠点」に変えることこそが、これからの時代を賢く、たくましく生き抜くためのアクションです。

次回予告
発電所の役割が変わるなかで、
「電気はこれからも安定して供給されていくの?」
という疑問を持った方もいるかもしれません。
次回は、四国の豊かな自然を活かした「水力発電」や「揚水発電」に注目しながら、私たちの暮らしを支える電力の仕組みについて、分かりやすくご紹介します。
四国のエネルギーを考える【 第2話 】
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