Green Column グリーンコラム
いつがマイホームの買い時? ナフサ高騰の今こそ立ち返りたい「家を建てる理由」
INDEX
家づくりに起きている変化
最近、ポテトチップスのパッケージ変更に関するニュースが話題になりました。
インクや包装資材の供給不安を背景に、パッケージデザインを一時的に白黒へ切り替える可能性がある――そんな内容に、「そこまで影響が広がっているのか」と感じた方も多いのではないでしょうか。
背景にあるのは、原料価格の上昇や供給不安です。
そして実は同じように、
住宅でも、断熱材や配管、内装材など、さまざまな部分が影響を受け始めています。
背景のひとつにあるのが、原油からつくられる「ナフサ」と呼ばれる原料価格の上昇です。
ナフサは、プラスチックやインクなどの石油化学製品の基礎原料。
住宅では、断熱材や配管、内装材など、さまざまな部分に使われています。
こうした変化を前に、実際にお客様から
「これから建てると影響を受けますか?」という声をいただくこともあります。
一方で、少し前にお引き渡しを終えたお客様からは、
「早めに決めておいてよかった」という声をいただいたこともありました。
でも、ここで一つ立ち止まって考えたいのです。
今起きていることは、本当に“今回だけの特別なこと”なのでしょうか。
こうした状況は、今回が初めてではありません
住宅業界を長く見ていると、
家づくりは常に何かしらの外部要因に影響を受けてきたことが分かります。
2014年 消費税5% → 8%へ
消費税率引上げ前後では住宅取得の駆け込みや反動減が起こり、
住宅取得を後押しするための支援策も講じられました。
2019年 消費税10%へ
このときも、増税後の住宅取得に対して
住宅ローン減税の拡充や、すまい給付金、次世代住宅ポイント制度などの支援策が用意されました。
2020年 ウッドショック
世界的な住宅需要の増加や物流の混乱により木材価格が高騰し、製材や集成材の価格は一時、前年比で1.3倍〜1.5倍程度まで上昇しました。
住宅価格にも影響し、条件によっては当初想定より数百万円単位でコストが変わるケースも見られました。
2021年 半導体不足
コロナ禍での生産停滞と、その後の需要回復のズレによって半導体の供給が追いつかず、エコキュートや給湯器の納期遅延が発生しました。
結果として、「家は完成しているのに住めない」という事態も起こりました。
2022年 国内工場火災による供給停止
国内工場の火災により、合板やそれを原材料とする建材の供給に影響が及び、一部では製造停止や代替品対応が必要になりました。
現場では、急遽別メーカー製品へ切り替えて施工するような対応も求められました。
2023年 大手電力会社の一斉値上げ
エネルギー価格の上昇を背景に、家庭向け電気料金が大幅に値上げ。
日々の生活コストが増え、「住まいにかかるお金」全体を見直す動きも広がりました。
そして今 ナフサ価格の上昇(ナフサショック)
断熱材や配管、内装材といった目に見えない部分にも影響するため、住宅全体のコストや納期にじわじわと波及する可能性があります。
一部では、住宅設備製品の受注停止や納期遅延も発生しています。
こうして並べてみると、家づくりは常に「その時の外部環境」に影響を受けてきたことが分かります。
それぞれは一つひとつ異なる出来事ですが、
共通しているのは「外部要因によって住まいにかかる条件が変わる」という点です。
家づくりそのものだけでなく、電気代や金利といった日々の暮らしに関わるコストも含めて、住まいは常に外部環境の影響を受けています。
そのため、「今のこれが収まれば元通りになる」とも言い切れません。
なにか一つが落ち着いても、次に別の要因が出てくる。
それが、住まいを取り巻く現実でもあるのです。

ナフサとは?
原油からつくられる液体の原料で、プラスチックなどの材料になります。
身の回りの製品から住宅の部材まで、幅広く使われています。
画像はイメージです
家づくりは、外部環境に左右されるもの
木材が不足すれば建てられない。
設備が入らなければ住むことができない。
物価や税制、金利が変われば、資金計画も変わる。
それぞれ原因は違っても、共通しているのは、家づくりが外部環境の影響を強く受ける構造にあるということです。
そしてそれは、単に建築の話にとどまりません。
住宅価格や毎月の支払いといったかたちで、私たちの日々の暮らしや家計にも影響してくるものでもあります。

では、いつがマイホームの考え時なのか
ここで、多くの方が気になるのがこの問いだと思います。
「結局、いつ建てるのが正解なのか?」
価格が落ち着いたら。
戦争が収まったら。
金利の先行きが見えたら。
そう考えたくなる気持ちは、とても自然です。
でも、これまでを振り返ると、
“完全に落ち着いたタイミング”というものは、実はほとんどありません。
あとから振り返れば、
「あの時のほうが安かった」
「もう少し待てばよかった」
ということは言えます。
けれど、それは結果論でしかありません。
その時点では、次に何が起きるかは誰にも分からない。
資材価格が落ち着くかもしれないし、代わりに金利が上がるかもしれない。
気に入っていた土地が、別の誰かに買われるかもしれない。
未来を確実に読むことはできません。
だからこそ、「最安のタイミング」を探し続けること自体が難しいのです。
いちばん大切なのは、「なぜ家がほしいのか」
ここで、基本に立ち返りたいのです。
あなたは、なぜマイホームを検討し始めましたか。
今の住まいが手狭だから。
学校や職場から遠いから。
子どもがのびのび過ごせる環境がほしいから。
家賃を払い続けることに、どこか引っかかりがあるから。
理由は、人それぞれです。
でも、家を考え始めたときには、きっと何かしら「今の暮らしの課題」があったはずです。
そして、その課題が解消された状態で暮らす時間の価値は、単純に金額だけでは測れません。

たとえば、あとから振り返って
「1年待てば100万円安かった」と思うことがあったとしても
その1年間、
広い家で、通学の負担が減って、家族が安心して過ごせる暮らしを先に始められた価値は、
100万円より高いのか 低いのか?
これは、誰にも簡単には決められないはずです。
ただひとつ言えるのは、
その時間はあとから取り戻すことができない、ということです。
住まいは、単なる買い物ではありません。
そこで過ごす時間そのものが、人生に影響するものだからです。
住まいが人生の土台であり、暮らしの余白や将来の選択肢にも関わるという視点は、これまでのコラムでも一貫してお伝えしてきた考え方です。
「最安のタイミング」より、「自分にとっての納得できる時期」
もちろん、急いで建てるべきだという話ではありません。
ただ、「今より良くなる保証がない」という前提に立つと、
大切なのは最安のタイミングを当てることではなく、今の自分たちにとって納得できる条件が揃っているかどうかなのだと思います。
たとえあとから振り返って「もう少し待てば安かった」と感じることがあったとしても、
その時の自分たちにとって無理のない予算で、暮らしの課題を解消できているのであれば、
それはひとつの納得できる選択だったと言えるのではないでしょうか。

住まい選びの正解は、意外とシンプルです
タイミングを読み切ることが難しい時代だからこそ、あらためて立ち返りたい視点があります。
それは、
自分はなぜ家を持ちたいと思ったのかということです。
今の暮らしで感じていること。
これからの生活で変えたいこと。
その原点に立ち返ったとき、
自分たちにとって何を優先するべきかが、自然と見えてくるはずです。
実際に当社でも、さまざまな暮らしの課題に対して、住まい選びをサポートしてきました。
・「子どもの通学負担を減らしたい」というご相談には、学校や生活動線を重視した立地提案を。
・「これからの電気代が不安」という声には、太陽光発電や蓄電池を備えた住まいを。
・「総額は抑えたい。でも性能は妥協したくない」という想いには、必要な要素を整理した住まいを。
私たちが大切にしているのは、その方にとって、どんな暮らしが心地よいのか。
何を優先したいのかを、一緒に整理していくことです。
住まいを選ぶ理由も、そこで実現したい暮らしも、人それぞれです。
そして周りの状況は、これからも変わり続けます。
だからこそ、外の変化に振り回されすぎるのではなく、自分たちの軸で選ぶこと。
それが、住まい選びで後悔しないための、ひとつの考え方なのかもしれません。
マイホームの考え時に迷ったときは、
「どんな暮らしを実現したいのか」を、あらためて整理してみることが大切です。
実際にどのような想いで住まいを選び、どんな暮らしをされているのか。
オーナーインタビューや施工事例も、判断のヒントとしてご覧いただけます。
