Green Column グリーンコラム
小さなアクションで、未来を動かす。―暮らしの中から考えるエネルギーのこと
電気代やガソリン代の上昇、猛暑や豪雨の頻発は、私たちの家計や体感温度に直結しています。エネルギー問題は“社会の話”ではなく、“暮らしの話”。今日からできる小さな一歩を、数字の裏づけとともにまとめました。
エネルギー問題は“暮らしの問題”
家庭のエネルギー消費はこの50年で大きく増え、CO₂排出量も上昇が続いています(※1)。日本は一次エネルギーの多くを輸入に依存しており、支払った代金は海外に流出しやすい構造です。家計面では、ガソリン・電気・食料(コメなど)の価格上昇が直撃し、二人以上世帯の月間消費支出はここ数年で約1万円増という実感が広がっています(※2)。
要するに、エネルギーの構造変化と価格のゆらぎは、そのまま私たちの暮らしに跳ね返っています。

※1 出典:資源エネルギー庁.「令和5年度 エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2024)」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2024/
※2 出典:香川県.「高松市の家計(令和6年平均)」
https://www.pref.kagawa.lg.jp/tokei/seikatsu/kakei/2024kakei.html
課題は、抽象的な“温暖化対策”を、私たちが続けられる行動可能な単位に落とし込むこと。数字で効果を可視化し、今日から無理なく続けられる工夫として提示する――ここに私たちの役割があります。
社員とともに考えた「今日からできる小さなアクション」
6月に実施した社内勉強会では、以下の6つを「今日からできる行動」として共有しました。いずれも小さいけれど、積み上げれば確かな効果になります。


レジ袋を使わない
1枚あたり約61gのCO₂を削減。全社員が「月15枚×1年」を続けると、年間で約867kgのCO₂削減につながります。
エアコン設定温度を+1℃(冷房)
1日8時間×夏4か月の前提で積み上げると、全社員で年間約1,316kgのCO₂を削減。快適さを損なわず続けやすいのが利点です。
歯みがき中は水を止める(止水30秒)
1回の止水で約6Lの節水。下水処理などに要するエネルギーが減るため、節水もCO₂削減につながります。
シャワーを1分短縮する
1分で約12Lの節水。全社員で年間約34万Lの節水、CO₂は約60kgの削減に相当します。
炊飯器の保温時間を1時間短縮する
小さな節電の積み重ねで、全体で年間約187kgのCO₂削減につながります。
会議を一人当たり月60分短縮する
照明などの電力使用を抑え、全体で年間約27kgのCO₂を削減。働き方の見直しが環境負荷の低減にも直結します。
上の6項目を全員で1年間実施すると、合計で約2,521kgのCO₂削減=杉の木180本分の年間吸収量に相当します。
勉強会後のアンケートでも「数字で効果が見えると続けやすい」「身近な工夫ならすぐ始められる」という声が多数。小さな行動でも、皆で積み上げれば“現実的な成果”になることを実感しました。
本章の数値は以下の資料を参考に試算しています。
・エアコン設定温度の調整による省エネ効果:環境省 家庭の省エネハンドブック
・水使用量の目安(歯みがき30秒=約6L、シャワー1分=約12L):東京都水道局 水の省エネ
・レジ袋1枚あたりのCO₂排出量(約61g-CO₂):環境省 ライフサイクルアセスメント関連資料
・炊飯器の保温にかかる消費電力:環境省 家庭の省エネハンドブック
・会議室照明(オフィス照明10本=約0.066kWh/時間):環境省 電気事業者別CO₂排出係数 等を用いた試算
住まいから始まるエネルギーシフト
暮らし方の工夫に加え、住まい自体に再エネを備えることも有効です。太陽光6.6kWを搭載した住まいなら、1棟あたり年間で約768kg(杉55本分)のCO₂削減効果。さらに蓄電池まで備えれば、エアコン稼働時間換算で2,561時間分のCO₂を抑えられる規模感になります。棟数が増えるほど、地域単位でのGX(グリーントランスフォーメーション)に波及していきます。

太陽光:6.6kw搭載として年間7342kwh発電。蓄電池無し。自家消費率30%。逆潮流ロス率5%で計算。(売電4882kwh+自家消費2202kwh=7084kwh-買電3864kwh(460kwh×0.7×12)=3220kwh。
太陽光+蓄電池:6.6kw搭載として年間7342kwh発電。蓄電池あり。自家消費率50%。逆潮流ロス率5%で計算。(売電3487kwh+自家消費3671kwh=7158kwh-買電1932kwh(230kwh×0.7×12)=5226kwh。
CO2排出係数0.421。杉が一年に吸収するCO2量を14kgとして計算。
“暮らしに近いところ”から未来をよくする
エネルギーは“暮らし”のテーマ。数字で可視化し、今日からできる小さな行動を続ける。そして、住まいにエネルギーを備えるという中長期の選択で、家計と環境の両方を支える。
私たち社員も生活者として同じ目線で、できることから取り組んでいます。小さなアクションを社会全体に広げていくことが、私たちの使命です。
住まいの再エネ導入(太陽光・蓄電池)については、詳細をご案内できます。お気軽にお問い合わせください。

