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ZEH仕様の福祉施設が拓く未来― “安心して暮らせる場”をエネルギーで支える

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足りていないのは「安心して暮らせる場」

いま、全国で「安心して暮らせる福祉の場」が不足しています。少人数・常駐支援のグループホーム(共同生活援助)は地域福祉の要ですが、供給が追いついていません。それでもなお、住まいを必要とする人の数が施設の数を大きく上回り、2024年7月時点のNHK調査を受けた報道では、入所施設・グループホームの待機者は延べ約2万2千人とされています(※1)。

私たちグリーンエナジー・ライフが取り組んでいるのは、そんな現場の課題を「エネルギーの視点」から解決すること。入居者やご家族、地域の人々にとっても“安心できる暮らしの場”を広げていく取り組みです。
それが、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様の福祉施設です。

※1 出典:NHK報道に基づく 福祉新聞Web「障害者入所施設・GHの待機者、全国で延べ2万2000人に」(2024年8月3日付)https://fukushishimbun.com/series06/36296(参照2025-11-30)
 
 

ZEH仕様が生む“安心と持続性”

従来の福祉施設では、建物の断熱性や耐震性が十分でない場合も多く、光熱費やメンテナンスコストが運営者の大きな負担になっていました。室温が一定せず、夏の暑さや冬の寒さが利用者やスタッフの負担になるケースも少なくありませんでした。

ZEH仕様の施設では、


こうした性能面の向上により、
入居者には 室温が安定した快適な環境
スタッフには 落ち着いて支援に集中できる職場
運営者には 光熱費・修繕費の削減による経営の安定 が生まれます。

ZEH仕様は「住まいの性能」を高めるだけでなく、暮らす人・働く人・支える人、そして地域の未来を支える仕組み として機能しています。こうした考え方を具体的なかたちにしたのが、次に紹介するグループホームの事例です。
 
 

数値と事例で見る効果

たとえば、私たちが手がける「グリーンケアライフ」第一号施設である日中サービス支援型障がい者グループホーム(ZEH仕様)では、太陽光発電と高断熱仕様により、エネルギー効率を高め、日々の光熱費を軽減できる環境を整えました。
太陽光発電設備の搭載容量は23.625kW/年間予想発電量約23,685kWh。一般家庭で換算するとおよそ6世帯分の電力を創出します(※2)。高断熱仕様による冷暖房の効率化で室内温度も安定し、入居者の健康面にも良い影響が期待されます。

住宅事業で培ったノウハウも、この施設づくりに活かされています。
同等仕様の当社のZEH住宅にお住まいの方からは『日中の発電で光熱費が抑えられた』『夏場でも室温が安定して過ごしやすい』といった声が寄せられています(社内実績ヒアリングより)。こうした快適性と省エネ効果を、福祉の現場にも広げたい――その想いが、このグループホームの設計にも息づいています。

さらに、カフェのような共用スペースを設けるなど、入居者とスタッフの双方にとって心地よく過ごせる空間設計にもこだわっています。自然と会話が生まれ、入居者やスタッフ、家族とのつながりが感じられる。そんな穏やかな時間が流れる空間づくりも、この施設が大切にしているポイントです。

この新しい発想が、地域の暮らしに新しい価値を生み出しています。

※2 一般家庭(4人世帯)の年間電力消費量は、全国平均で約3,950kWh。
本施設の太陽光発電設備(23.625kW)は年間予想発電量約23,685kWhを想定しており、一般家庭の年間電力消費量に換算すると約6世帯分の電力消費をまかなえる規模に相当します。実際の発電量・消費バランスは日射条件や使用状況により変動します。
出典:環境省.「家庭部門のCO₂排出実態統計調査(令和4年度) 地方別エネルギー消費量」
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/01/ (参照2025-11-30)


規格型で叶える、“安心して暮らせる場”の新しいかたち

私たちグリーンエナジー・ライフが手がけるのは、「人が安心して暮らせる場」を、エネルギーの力で支える規格型建築です。太陽光発電を標準装備し、平時の快適さと非常時の安心を両立する──そんなZEH仕様のグループホームを皮切りに、今後は福祉・医療分野へも展開を予定しています。

私たちは、自由設計やリフォームなどあらゆる建築ニーズに応える会社ではありません。けれども、規格型の住まいづくりという分野で培ってきたノウハウを活かし、品質・コスト・性能を安定させた再現性の高い建築を提供しています。この“規格化×エネルギー最適化”の仕組みを、私たちは住宅から福祉・医療の現場まで一貫して活かしています。

私たちは、自社が最も価値を発揮できる領域において、誰にとっても安心できる住まいを、確かな品質で届けることを使命としています。その使命のもと、ZEH住宅やトレーラーハウスで培ったノウハウを基盤に、福祉や医療の現場へと広げる取り組みを進めています。こうした取り組みは、「暮らす人・働く人・支える人」が共に安心できる地域づくりの一歩です。

グループホーム建設をはじめ、規格型の福祉・医療施設の建築や太陽光・蓄電池を活かした住まいづくりに関心をお持ちの方は、ぜひ私たちにご相談ください。
地域とともに育つ“安心の場”の形を、共に描きましょう。

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